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Writer/まにょ

バンコクで暮らす筆者が知った、タイのセクマイ事情と18性別

アジア諸国の中でも、セクマイ先進国として知られるタイ。昨年末には「市民パートナーシップ法案」が閣議決定したほか、首都・バンコクには性別適合手術などで有名なヤンヒー総合病院もあり、一度はタイを訪れようと考えたことのあるLGBT当事者も少なくないのではないでしょうか。

筆者はシスジェンダー&ヘテロセクシュアルですが、現在タイ・バンコクで暮らしています。バンコクで実際に生活してみて感じたセクシュアルマイノリティ事情と、タイの18性別について紹介したいと思います。

タイ・バンコクで暮らして感じた、LGBT事情

街なかを堂々と歩く「レディーボーイ」にビックリ!

「セクマイ先進国」といっても、タイ全域がセクマイに対して寛容というわけではなく、田舎ではまだまだ差別が残っている地域もあるようです。しかし、首都・バンコクでは、街なかを歩いているだけでも、思うままの性・ファッションで生活している人を見かけることがとても多い!

特によく見かけるのは、「レディーボーイ」と呼ばれる、MTFの女性たち。単純に、彼女たちは背が高く、街なかでも目立つ人が多いため、印象に残りやすいだけかもしれませんが。

しかし、女性向けのショップや美容サロンの店員がレディーボーイだったり、性風俗店の前でレディーボーイが客引きをしていることも多く、日本でそうしたシーンを見かけることはほぼゼロに等しいので、最初はかなり驚きました(が、今ではもう慣れっこに)。

また、逆に、FTMのようにも見える短髪でボーイッシュな女性が、男性用の制服を着て堂々と働いている姿を見かけることも頻繁にあります。

このように、バンコクではひと目を気にせず堂々と自分の好きなファッションに身を包んでいる人が多く、周囲もそれをごく当たり前に受け入れているような空気が感じられました。

セクマイの存在が、日常の景色に自然に溶け込んでいるのです。

美容大国・タイは、整形にも寛容

タイ人のセクマイの場合、性別適合手術とあわせて、顔の美容整形をしている人も多いです。しかし、これはセクマイに限らず、シスジェンダーの女性も、整形に対して寛容な人が多いのだとか。

国民全体で整形をしている人口の割合としては、タイと日本で大きな差はないようですが、現地のタイ人女性いわく、日本ほど整形をタブー視していないのだそう。「整形は隠さないといけない」といった風潮がないので、そのタイ人女性にもサクッと整形をカミングアウトされました。さらに、女性だけでなく、男性でも整形をしている人が多いそうです。

タイ人は、美容整形で顔を変えることに対して寛容なので、性別を変えることや性別にとらわれないファッションに対しても寛容なのかもしれません。

「マイペンライ」の精神

それにしても、なぜタイ人は、セクマイや整形にここまで寛容なのでしょうか。その理由のひとつに、タイならではの「マイペンライ」精神が挙げられるでしょう。

「マイペンライ」とは、タイ語で「問題ない!」や「大丈夫!」という意味の言葉。

たとえば、仕事でミスをしたり、待ち合わせの時間に遅刻したりしても、多くのタイ人は「マイペンライ!」と笑って許してくれます。日本人のように、細かいことを気にしたり、それで機嫌を損ねたりする人が、タイには少ないのです。

このように、何ごともあまり気にせず「マイペンライ」と笑顔で流せる国民性が、セクマイにとっても過ごしやすい環境を作り出しているのではないでしょうか。

タイには、性別を表す用語が18種類もある!?

そんなセクマイ先進国・タイには、セクシュアリティを表す言葉がなんと18種類もあるんです! 性的指向についても、それぞれ細かく定義されています。

タイの18性別

①男性:女性が好きな男性
②女性:男性が好きな女性
③トム:女性とディーが好きで、男性の格好をした女性
④ディー:男性的な女性やトムが好きな女性
⑤トムゲイ:女性、トム、ディーが好きな女性
⑥トムゲイキング:トムが好きなトム(タチ)
⑦トムゲイクイーン:トムが好きなトム(ネコ)
⑧トムゲイツーウェイ:トムゲイキングとクイーンのどちらにでもなれるトム
⑨ゲイキング:男性が好きな男性(タチ)
⑩ゲイクイーン:男性が好きな男性(ネコ)
⑪ボート:女性、ゲイキング、ゲイクイーンが好きな男性(ただし、オカマは除く)
⑫バイト:トム、レズ、男性が好きな女性
⑬レズビアン:女性が好きな女性
⑭オカマ:女性になりたい男性
⑮アダム:トムが好きな男性
⑯アンジー:トムが好きなオカマ
⑰チェリー:ゲイとオカマが好きな女性
⑱サムヤーン:レズビアン、トム、女性が好きで、かつ、どれにでもなれる女性

このように、かなりややこしい分類になっているため、一度読んだだけですべてを把握するのは難しいでしょう。

とはいえ、ここまで細かく性別が定義されているというところでも、タイのセクマイに対する寛容な姿勢がうかがえます。

セクシュアリティで悩んでいる人には、タイ旅行がオススメ!

タイはセクマイ先進国というだけでなく、あたたかい気候でごはんもおいしいので、開放的な気分になれること間違いなし! 筆者自身、バンコクで生活していて、明らかに日本にいる時よりもストレスを感じにくくなりました。

LCCを使えばとてもリーズナブルに航空券を取ることもできるので、自身のセクシュアリティに悩みを抱えていて、日本の環境に堅苦しさを感じている人は、ぜひ一度タイを旅行してみてはいかがでしょうか。

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