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Writer/Moe

LGBTQ関連のポッドキャスト3選。通勤時や在宅ワークのお供に良いかも?

電車で移動する時や家で作業する時など、好きな時に聞けるポッドキャスト。ラジオよりもコアなトピックが魅力だ。そんなポッドキャストを愛する筆者が出会った、LGBTQ関連のおすすめ番組を独断でピックアップしてみた。

ポッドキャストには、LGBTQもそうじゃない人も自然に話しあう風景がある

私は、部屋でポッドキャストを流しながら作業していることが多い。LGBTQの人々が友達同士に話すような気軽さでいろいろなトピックを話しているような番組にも出会った。聞いているうちに、そんな他愛もない会話が、他者への思いやり・想像力を強めてくれると感じた。

01様々な視点からセクシュアリティを語るポッドキャスト『なんかIWAKAN!』

最初に紹介するのは、『なんかIWAKAN!』という番組。「世の中の当たり前に ’違和感’ を問いかける」インディペンデント・マガジン『IWAKAN』の編集部メンバーによるトークだ。『IWAKAN』は、2020年10月に創刊された季刊誌で、ジェンダー・性別に関する社会規範への疑問や、多様性とは何かなど、独自視点で特集されるテーマが魅力的だ。

ポッドキャストに登場する編集部メンバー「アンドロメダ」「ジェレミー」「ラナ」「アボ」は、出身国や性的アイデンティティも異なる。そんな彼らが、ポップカルチャー、恋愛、エンターテイメント、その他日常の生活の色々な場面で出会う、ジェンダーや性にまつわる違和感を語っている。

エピソード6の「“フェチ” は差別? エシカルな恋は本当にあるの?」が私のお気に入りだ。このエピソードでは、誰もが多かれ少なかれ恋愛や性的関係の中にフェティッシュな(ここでは偏見を含んだ外見の好みのこと)欲求をもっているのでは? という話題に切り込んでいる。

フランス出身のジェレミーが、欧米人の顔をしているというだけで「トム・クルーズみたいでカッコいい」と言われた時の違和感にはじまり、背が高い人が好き、唇が厚い人が好き・・・・・・など、「自分の好きなタイプ」という中に個人特有の偏った性的欲求=フェティッシュが詰まっていると指摘。

恋愛感情をもって相手を好きになるきっかけも、そんなフェティッシュな部分が100%無いとは言えない。でも、それを越えて関係を築いて行ければいい。LGBTQ や外国人としてマイノリティの立場を経験する彼らの「どんな人にも何かしらの偏見がある」という視点に説得力を感じた。

偏見に対して目くじら立てるより、「人間は不完全」ということを再認識するようなトークが心地よい。

02率直な意見で人生相談に応えるポッドキャスト『そうだ! ゲイにカミングアウト』

次に紹介するのは、『そうだ! ゲイにカミングアウト』。「太田」と「みしぇう」の2人がポッドキャストリスナーからの悩みに応えてくれる。

「No175 :私は本当にアライなのか? と自問自答するリスナー様へ」の回では、LGBTQ アライの女性からの相談があった。

妊娠を機に「自分の子どもがもしセクシャルマイノリティだったら」と不安を感じるようになり、こんなふうに感じる自分は本当にアライなのか? と葛藤を感じているというもの。

これに対して、二人は関心を持って考えていることが十分アライだよ、と相談者の気持ちに寄り添った上で、率直なコメントも。「沢山いるので、身近にカミングアウトしている友人がいるか・いないかは大きな違い」と指摘し、「直接の知り合いがいないなら、アライでいるのは限界がある」という。

直接の知り合いがいると、ささいな言葉の選び方が変わったり、LGBTQの人々が日々生活しているのを身近に感じる度合いが断然に違う。統計的にもLGBTQは沢山いるので、同じアライでも自分に直接カミングアウトしている人がいない場合は、そのことを心に留めておいて欲しいという趣旨の発言だった。

ポッドキャストを聞いていて私自身この部分にはハッとさせられた。

03聞くと元気が出るポッドキャスト『ゲイと女の5点ラジオ』

最後に紹介するのは、今年3月に発表された「第3回ポッドキャストアワード」で「ベストパーソナリティ賞」も受賞した、『ゲイと女の5点ラジオ』。「若くもないけどおばさんでもない、ネオおばさん」を名乗る、「しょうちゃん(ゲイ男性)」と「ヴァジャ(ストレート女性)」による自由奔放なトークが繰り広げられる。

「生きることお疲れさまです」から始まるこの番組。私が好きなのは、2人が好き放題に話しているのを聞いているだけでなぜか励まされるところだ。第149話では、しょうちゃんが生活に本当に困っていた時に市役所の福祉課に行った、という経験をもとに「自分探しをする場所はインドじゃなくて市役所」という名言が飛び出す。

さまざまな苦労や生きづらさを乗り越えてきただろう二人が、とことん明るく繰り広げる、妄想あり、悪態ありのトーク。「この番組を聞き続ける理由は、お二人の深い優しさです」という第153話でのリスナー男性のコメントにも私も共感だ。

LGBTQの声が日常に入ってくることで変わる意識

ポッドキャスト番組『なんかIWAKAN!』『そうだ! ゲイにカミングアウト』『ゲイと女の5点ラジオ』から聞こえてくるのは、偏りのある、個人の意見や経験だ。それに、あたかも普通の会話を聞いているような感じがしても、私は彼らと直接の友達でもないし、100%の本音を聞いているわけでもない。

ただ、新しく出会った人との会話の中で「こういう風に捉える人もいるかもな」と、今までは持っていなかった視点を想像して会話を展開するヒントにはなっている。LGBTQの人が私にカミングアウトしても、相手を傷つけることの無い会話の仕方も、想像できるようになってきた。

これを読んでいるあなたも興味を引かれるポッドキャスト番組があれば、是非聞いてみていただきたい。

 

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