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Writer/酉野たまご

レズビアンカップルの二人暮らし―家計や家事の分担は? 長続きするコツは?

私はレズビアンで、同性のパートナーと暮らしている。同棲生活も5年目となって「自分たち以外のレズビアンカップルはどんなふうに二人暮らしをしているのだろう?」と疑問が湧いてきた。そこで、今回は「私たちの二人暮らし」の様子をご紹介したい。

レズビアンカップルの二人暮らし、家計や家事分担はどうしてる?

「二人暮らし」につきものの家計や家事分担の問題は、モデルケースの少ないレズビアンカップルの場合、なおさら気になる点ではないだろうか。

二人暮らしとしてはちょっと特殊かもしれない、私たちなりの「家計・家事分担」

私とパートナーは、家計をざっくりと「固定費の支払い」と「変動費の支払い」で分担している。

固定費は、家賃や水道光熱費など、毎月の出費額がある程度かたまっているもの。
変動費は、食費や日用品費など、そのときどきによって支払額が変わる費用を指す。

当然のことながら、固定費のほうが変動費よりも高額になるけれど、あえて私たちは固定費の支払いをパートナー、変動費の支払いを私が担当すると決めている。

支払い額に差が生じる分は、家事の大部分を私が担うということでおたがいに納得している。

一般的な異性カップルと比べても、このような家計の分担方法は珍しいかもしれない。

多くの場合、家計管理は「共同の口座か財布を用意し、暮らしのための出費はそこから出す」「毎月おたがいの出費を確認して、平等に折半する」あるいは「どちらか片方が家計全体を管理し、個人の出費はおこづかい制にする」というパターンが多いようだ。

私たちがあえてイレギュラーな分担方法を選んでいる理由には、おたがいの働き方の違いが大きく関係している。

レズビアンカップルである私たちが、特殊な家計・家事の分担方法を選んだ理由

レズビアンカップルである私とパートナーは、マッチングアプリで出会った当初はおたがい他県に住んでいた。

そのため、どちらか一方が生活拠点を離れなければ二人暮らしをすることが叶わなかった。

身近なコミュニティでパートナーを見つけることが難しいレズビアンカップルとして、結構あるあるな「引っ越しの悩み」かもしれない。

そして、話し合いの結果、正社員として働いているパートナーの職場により近い県に、在宅フリーランスとして働いている私が引っ越すという形を選んだ。

ただ、在宅フリーランスとはいえ以前の活動拠点に足を運ばねばならないこともあり、その際の交通費は私個人の負担となる。両親や要介護の祖父母に会いに行くにも、パートナーより費用と時間をかける必要がある。

また、家事については在宅フリーランスである私が多くの部分を担当したほうが効率がいいため、私は本来仕事にあてるはずの時間を一部、家事の時間にあてている。

それらの点を考慮し、固定費の支払いと変動費の支払いという分け方をすることで、それぞれの収入と出費のバランスが釣り合うようにしたのだ。

レズビアンカップルの二人暮らしとしてはちょっと特殊な例かもしれないけれど、細かい家計管理が苦手な私たちにとってはわかりやすく、何かイレギュラーなことがあっても臨機応変に相談しあって決めることができる分担方法なのだ。

レズビアンの二人暮らし、ケンカをしたらどうするの?

レズビアンカップルや同性どうしの二人暮らしといえば「ケンカはしない?」「長続きするの?」という質問を受けることもたびたびある。

レズビアンカップルでもケンカをすることはある

結論からいえば、私とパートナーは年に何度かケンカしたり、ちょっとした言い合いをしたりしている。

二人暮らしを始めた当初は毎月のようにケンカがあったので、むしろ年々減っているほうではあると思うけど、それにしても「一年中ケンカせずに過ごす」状態にはほど遠い。

ケンカの理由は、大抵はほんのささやかなことだ。

自分の話をちゃんと寄り添って聞いてくれなかったとか、仕事でたまった不満を相手に八つ当たりでぶつけてしまったとか、ちょっと喋り方がきつく感じたとか、そういうモヤモヤから始まることが多い。

ただ、きっかけがささやかな分、根本的な解決がしづらいのも難しいところ。
どちらが悪いわけでもないのにおたがいにすねてしまい、長い時間気まずい雰囲気で過ごすこともよくあった。

レズビアンカップルは結婚ができない分、別れてしまいやすいという定説がある。

私たちは別れるつもりなんて全然ないけど、そんなつまらない説のとおりになってしまうのはイヤなので、少しずつ努力して解決策を見つけてきた。

それは「ケンカをしたら一人の時間をつくる」ということだ。

ケンカしがちなレズビアンカップルが二人暮らしを長続きさせるコツ

思えば、私たちがしょっちゅうケンカをしていた時期は、パートナーが仕事を辞めて転職活動をしていたり、引っ越しの都合で二人とも家にいる時間が長かったりと、おたがいに一人の時間をもつことが少ない時期でもあった。

レズビアンカップルは、デートに行ってもトイレまで一緒に行ったり、温浴施設も一緒に入ったりと、二人で過ごす時間が異性のカップルより多くなりやすい。

だからこそ、意識的に一人の時間をつくることで、より二人の時間を大切にすることができるのではないだろうか。

そのことに気がついて以来、休日も二人で過ごしてばかりではなく、それぞれ個人の予定を入れて一人の時間を大切にするようになった。

私たちは個別の部屋がない家で二人暮らしをしている分、ケンカをしたときはどちらかが外に出るか、ヘッドホンをしてふとんに潜るなど、一人でクールダウンする時間をとれるよう工夫している。

これが「ケンカはするけれど二人暮らしを続けていきたい」レズビアンカップルの、ちょっとした長続きのコツだ。

二人暮らしのメリット・デメリットは? レズビアンカップルである私たちの場合

では、レズビアンカップルならではの「二人暮らしのメリット・デメリット」にはどんなものがあるだろうか。

レズビアンならではの二人暮らしのメリットは「同性とのルームシェア」に似ている?

レズビアンの二人暮らしについてよく挙げられるメリットとして「洋服や持ち物をシェアしやすい」という点がある。

新しい買い物をするのが苦手な私は、このメリットをものすごく享受している。

たとえば、私は洋服を年に何度も購入しない。
ファッションは大好きだけど、買い物のたびに熟考する癖があるため、なかなか新しい洋服を買えないのだ。

しかし、いざとなればパートナーの洋服を借りられるので、季節が変わったのにまだ新しい服を買えていない! と焦ることは少なく、安心してじっくりと悩みながら買い物することができている。

冠婚葬祭のときも、おたがいの予定さえ被らなければ、フォーマルなバッグやアクセサリーなどを貸し借りすることができるため、とても助かっている。

また、レズビアンカップルで二人暮らしをしていると言うと「友だちとのルームシェアみたいで楽しそう」という反応をもらうこともある。

もちろん人それぞれによって違うとは思うけれど、私たちの場合は「たしかに、似ているところがあるかも」という感じだ。

同性の友だちと実際にルームシェアしたことはないけれど、同性ならではの遠慮のない会話、体の不調やジェンダーにまつわる相談ごとができる安心感、ファッションや趣味の話で盛り上がるときの雰囲気は、近いものがあると思う。

これも、レズビアンカップルの二人暮らしならではのメリットといえそうだ。

レズビアンの二人暮らし、デメリットは「社会からの無理解」だけ

私たちがレズビアンカップルとして二人暮らしにデメリットを感じる点は、ずばり「社会的な理解が得られにくいこと」だ。

そもそも二人暮らしのための部屋を借りるハードルが高いこと、誰と一緒に暮らしているかの説明につい口ごもってしまうこと、結婚や子育てをしている人たちと比べて、制度上の恩恵を受けにくいこと・・・・・・。

同性どうしのカップルで二人暮らしをすることそのものについては、私たちはほとんどデメリットを感じていない。

異性のカップルや夫婦が少しだけうらやましくなってしまうのは、いつも「誰かから理解を得られなかったとき」だ。

堂々と部屋を借りることも、引っ越しの理由を屈託なく相手に伝えることも、二人暮らしを祝福されたり、休日の融通をつけてもらったりすることも、レズビアンカップルでなければもっと簡単だっただろうに・・・・・・と、思ったことがないと言えば嘘になる。

ただ、これらのデメリットを普段は意識しなくて済むくらい、パートナーとの二人暮らしは楽しい。

私たちの暮らしに、社会のほうがいずれ追いついてくれればいい。
そんな気持ちで、私たちは今、二人暮らしを謳歌している。

レズビアンの二人暮らしを続けていくために

レズビアンカップルが二人暮らしを長く続けていると「恋愛感情はどうなっていくの?」という点が気になる人も多いと思う。

レズビアンカップルの恋愛感情は二人暮らしによって変化する?

異性カップルと比較しても、結婚や妊娠・出産といったライフイベントが起こりにくい分、恋愛感情がどのように変化するのか、また性愛感情はどうなっていくのか、面と向かって聞かれることは少なくても、それとなく質問されることもある。

私たちの場合、性行為は最初の半年くらいだけで、二人暮らしをするようになってからはほとんどしなくなった。

かといって、恋愛感情がなくなったわけではない。家族に感じる愛情により近くはなったけれど、スキンシップやことばでの愛情表現は毎日行なっている。

中距離恋愛の頃は、おたがいに強い結びつきを欲するような感覚があったけれど、二人暮らしをするようになってから「この人はずっと一緒にいてくれるんだ」と心も体も理解して、ほっとしたような感じだ。

この感覚が私とパートナーの間で共通しているから、性行為がなくてもおたがい不満もなく、愛情を確かめあうことができている。

二人暮らしを続けるために「将来のイメージ」を確認しあう

私たちは、普段から意識的に将来の話をするようにしている。

一緒にテレビやYouTubeの動画を観たり、知人の話をしたりする流れで

「もし動物と暮らすなら何がいいかな」
「今の仕事はずっと続ける? それとも別の夢がある?」
「将来どの街に住みたい?」
「それは何年後くらいのイメージ?」

と、おたがいに質問しあうことも多い。

レズビアンカップルはロールモデルが少ない分、数年先の未来もイメージしづらいところがある。

だからこそ、こまめに「将来私たちはどう暮らしてると思う?」と確認しあうことで、ちょっとずつ自分たちで道を切り拓いていくのだ。

今のところ、私たちはずっと二人暮らしをするつもりで、でももしかしたら犬か鳥と一緒に暮らすかもしれなくて、同性婚ができなければ養子縁組をしようか、ということになっている。

住む場所は今の県のままか、私の故郷に戻るか、または別の土地に行くのか、まだ全然わからない。

それでも、長く二人暮らしを続けるレズビアンカップルのロールモデル的な存在に、自分たちがなれたら幸せだなあと思わずにはいられない。

 

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