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Writer/きのコ

「ポリアモリー」と「オープンリレーションシップ」はどう違う?

複数の人と同時にそれぞれが合意の上で性愛関係を築くライフスタイル「ポリアモリー」。
以前、とあるカップルの破局の話題から、ポリアモリーと「オープンリレーションシップ」との違いに注目が集まった。今回は ポリアモリーとオープンリレーションシップについて、交際の概念の違いを解説していきたい。

とあるゲイカップルのエピソード

「ポリアモリーとオープンリレーションシップって何? どう違うの?」

以前、とあるカップルの破局が話題になった 。

彼らはそのことをネットで公表したのだが、その中で「ポリアモリー」「オープンリレーションシップ」という言葉で自分たちの関係性を表現していたことから、「ポリアモリーとオープンリレーションシップって何? どう違うの?」と注目を集めたのだ。

ポリアモリーとは、3人以上の登場人物が全員の合意のもとで複数人と交際すること。
一方オープンリレーションシップとは、その名の通り “開かれた関係” のことだ。

多くの場合、恋人同士というのは多少なりともクローズドな関係であり、他人が入る余地のないものとされているけれど、オープンリレーションシップはその関係を開き、カップル外でのデートやセックスをOKとする。

結婚している夫婦がオープンリレーションシップを実践する場合は、オープンマリッジとも呼ばれる。

とあるゲイカップルの破局

TさんとJさんは公私ともにオープンなゲイカップルだった。

しかしTさんの浮気によって日々の喧嘩が増えたことから、一度は別れた2人。けれどその後Tさんからの提案で、Yさんも含めた3人でポリアモリーとしてのパートナーシップを築こうとしたそうだ。

ところがその関係にTさんが耐えられなくなり、全員が別れることに。

その後Jさんは改めてオープンリレーションシップの形でYさんと付き合い、一方でTさんともセックスフレンドとしての関係を続けていたものの、Tさんがその状況に納得できずトラブルになった末、改めてTさん・Jさんがネットで破局を公表した・・・・・・という顛末のようだった。

“開かれた関係” オープンリレーションシップのルール例

浮山景色「『こんな男が彼氏で大丈夫なの?』と周りから心配されたけれど」にもあるように、一言でオープンリレーションシップといっても、関係をどの程度オープンにするかは人それぞれ。「キスはいいけどそれ以上はダメ」「事前に言ってくれたらキスもセックスもOK」「セックスはいいけど恋に落ちたらダメ」など、カップルによってさまざまなルールがある。

たとえば以前 私が出会ったカップルは、「カップル外でのセックスはいいけどデートはNG。セックスの前や後に食事に行くのもダメで、ラブホテルで現地集合・現地解散すること」というルールでオープンリレーションシップを営んでいるそうだ。

ポリアモリーとオープンリレーションシップ

恋愛のポリアモリー、セックスのオープンリレーションシップ

ポリアモリーとオープンリレーションシップとは重なる部分の多い概念ではあるものの、ポリアモリーはどちらかというと恋愛にまつわるライフスタイル。オープンリレーションシップはどちらかというとセックスにまつわるライフスタイルを指す。

オープンリレーションシップは必ずしも恋愛の関係を含むとは限らないし、ポリアモリーは必ずしも性的な関係を含むとは限らない。

恋愛のあり方とセックスのあり方とは、相関することもあるものの、基本的には別のものだ。

オープンリレーションシップの核は2人

オープンリレーションシップはあくまでも核となる2人からなるカップルがあり、その関係性をオープンにするもの。

ポリアモリーの中でも特に、トライアドと呼ばれる「3人カップル」の形や、ポリフィデリティという「決まった複数人の中でのみクローズドな交際をする」という形とは異なるといえるだろう。

どちらも「ノンモノガミー」の一種

ポリアモリーとオープンリレーションシップはどちらも「ノンモノガミー」と呼ばれるライフスタイルの一種だが、「ノンモノガミー」は浮気や不倫も含めて、モノガミーでないあらゆる関係性を包含する概念のことだ。
ノンモノガミーの中の細かい区別については「The Map of Non-Monogamy」も参照してみてほしい。

「私達はどのような関係性を築きたいか」のすり合わせ

ポリアモリーかつオープンリレーションシップな私

ちなみに私自身の場合は、複数のパートナーとポリアモリーとして 交際 していると同時に、お互いパートナーシップ外でのデートやセックスもOK、という形にしている。デートやセックスをする友達はいるけれど、必ずしもパートナーとして交際をするとは限らない。

つまり私は、ポリアモリーとオープンリレーションシップを両方営んでいる、といえるだろう。

「私達はどのような関係性を築きたいか」

前述のTさん・Jさんは、双方の発信を見るかぎり、「自分たちの関係性がポリアモリーなのか、オープンリレーションシップなのかについて明確な区別や合意がとれていなかった」のではないかと思われる。

ポリアモリーが良くてオープンリレーションシップが悪いとか、どちらの関係性の方が優れているとかいった優劣はつけられない。1対1の関係性にもいろいろな形があるように、3人以上の関係性にもいろいろな形があっていい。

大切なのは、ポリアモリーとかオープンリレーションシップとかいう名前にこだわり過ぎるのではなく、「私と、私のパートナーは、どのような関係性を築きたいか」を皆で話し合ってすり合わせてゆくことだと思っている。

 

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