「異性の友達と2人で一緒に遊んだり、食事をしたりする」。それだけのことなのに、恋愛的な関係を疑われることってありませんか。また、少なくともどちらかに恋人ができると、なんとなく遠慮して2人では会いづらくなります。これってちょっと変じゃないですか?
「異性の友達」と2人で会うのはありえないこと? その風潮への違和感
恋愛じゃない “親しさ” を大切にしたいだけなのに、それが信じてもらえず、静かに傷ついている人たちがいます。私もその一人です。
「異性の友達」という関係に、恋愛的話題が持ち込まれる不思議
たとえば、AさんとBさんが異性の友達で、お互い恋人がいないとします。
そんなとき、周りから聞こえてくるのは
「なんかあの2人怪しくない?」
「付き合ってるんじゃない?」
「絶対どっちかは好きだよね、今度聞いてみようよ」
というような声だったりします。これは「異性が2人きりでいる=少なくともどちらかが恋愛的に好意を持っている」という前提なのでしょう。
2人にしかわからないつながりがあるのに、周りが勝手に恋愛を前提にして話すのは、不思議でしかたがありません。
どんなに「友達だよ」と言っても「少しは意識してるでしょ?」と聞く耳を持たない人もいます。そうすると「異性間の恋愛じゃないつながりは信じてもらえない」という思いが湧いてきて、悲しい気持ちになります。
もちろんすべての人が揶揄してくるわけじゃないし、信じてくれないわけではないけど、世の中にそういう風潮が確かに存在することに、私はずっと違和感を感じてきました。
「2人で会っている」というだけで、恋愛的な好意があると思われるのは、なぜなんでしょうか。
合う人がいるありがたさを感じて、ただ話したいだけ
私が他者と2人で会いたい理由は、大きく3つあります。
①深い対話がしたいから
少人数のほうが深い話がしやすく、1対1でじっくり話すのが好きだし、最も心地よく感じます。
②2人だからこそ生まれる会話があるから
波長が合い、その人との間にしかない共通点や共感ポイントから、会ったときにしかできない会話をするのがすごく好きなんです。
③相手の考え方や価値観に惹かれて、もっと知りたいと思うから
相手が人として魅力的で、人として好きになりたい、自然とまた会いたいと思う①②に続く感覚です。
こうした理由で私は誘って、1対1の対話に応じてくれる人もいます。
「会話のテンポが合うな」
「沈黙があっても大丈夫だな」
と思える人がいることが幸せだと思っています。しかも、その人と会って人間関係を深められるなんて、いつでもできるわけじゃありません。
だから、私は波長が合う人と会える喜びを分かちあいたいだけなんです。
それとも異性とは、恋愛という関係じゃないと、親しくなっちゃいけませんか?
異性の友達より恋人が優先される世界に、クワロマンティックの私は戸惑う
クワロマンティックとは「他者への好意が、恋愛感情か友情かを区別できない」もしくは「恋愛感情と友情を区別したくない」と説明される恋愛的指向です。私はこの恋愛的指向を自認しています。今の私はとくに「恋愛感情と友情を区別したくない」という感覚が強くあります。
なぜ異性の友達より恋人が優先されるのか

ここでも例を挙げてみたいと思います。
少なくともどちらか一方に恋人がいるようになると、本人たちの間でこういう会話が交わされることがあります。
Aさん「実はね、恋人ができたんだ!」
Bさん「えー! おめでとう!!」(心の声: もう2人では会わないほうがいいよね)
という、なんとなく2人きりで会うのがダメな空気が流れます。
これってつまり、恋愛関係が異性の友達との関係よりも優先されているということだと、私は思います。
クワロマンティックの私にはおかしく見える世界
クワロマンティックの私にとって、異性の友達よりも恋人が優先される世界は不思議です。
恋人が上で、友達が下なのはなんで?
恋人が友達よりも優先されるのってどうして?
クワロマンティックの私からすれば、異性の友達と恋人は上下の関係にはなく、横並びの存在です。それに、区別したくないので、異性の友達という関係が下に見られるのは、私の中ではおかしいのです。
異性の友達とその恋人との関係に口を出す筋合いはないし、どうしたいかを決めるのはもちろん自由。だから相手の気持ちに気づいたら「そっか〜まあ仕方ないよね」って思うしかない。
だけど、やっぱりもどかしい気持ちになります。
恋人ができたからって、今までのつながりが変わってしまうのはおかしくない?
恋愛と異性の友達は別のものじゃないんですか?
「恋愛じゃないけど大事なつながりです」じゃダメですか?
私にとっては「この人と出会えてよかった」と思える関係は全部大切です。上も下もありません。
親しくなれた奇跡を、大切にしたい
ここまで私が話してきたことは、決して特定の人への非難のつもりで言っているわけではありません。ただ、私が見ている世界をお伝えしたいのです。
私だったら恋人を喜んで送り出したい

この先、もし私に恋人ができたとして、恋人が「異性の友達と2人で会いたい」と言ったら、私は笑顔で送り出したいと思っています。なぜなら、その友達との関係は私には築けないものだと思うからです。だから、恋人の会いたい気持ちを制限する理由が私にはないのです。
むしろそんな存在がいる恋人を「すてきだね!」って思います。
恋愛感情じゃないところで深くつながっているってすばらしいことだから。
恋愛じゃない “親しさ” をこれからも大切にしたい
私にとっては、恋愛じゃなくても、異性の友達とじっくり話せる時間がうれしいのです。だから、これからも相手が異性であっても、かけがえのない時間を大事にしていきたいと思っています。
人と人とが出会って、心が響き合って、一緒に過ごす時間が心地よくて、その関係が続いていくなんて、滅多にないことだと思うんです。そうしたつながりは、恋愛に限らず、人生のなかでそう何度もあるものじゃありません。
恋愛じゃなくても深くつながれる関係は存在する、と私は信じています。
そして、そのつながりが自然に受け取られる世の中になることを、私は願っています。