NOISE ライター投稿型 LGBT情報発信サイト
HOMEすべての記事 ひと目ぼれが多い私はフレイロマンティック? デミロマンティックの友人と話して気づいたこと

Writer/遥

ひと目ぼれが多い私はフレイロマンティック? デミロマンティックの友人と話して気づいたこと

最近、デミロマンティックの友人と話していて、ふと「親しい相手に対して恋愛感情を抱けない私の恋愛的指向は何と呼ぶのだろう?」と疑問を抱きました。そこで出会ったのが「フレイロマンティック」という言葉です。

デミロマンティックがマジョリティにみえる私

私はレズビアンで、交際9年の同性のパートナーと暮らしています。先日、レズビアンの友人たちと恋愛の話をしていたところ、自身の恋愛的指向を「デミロマンティック」と語る人が多くいました。

レズビアンの友人との会話で気づいた「デミロマンティック」と語る人の多さ

「デミロマンティック」とは、相手と信頼関係が育ってから恋愛感情が芽生える恋愛的指向です。恋愛のスイッチが「親密さ」に強く結びついている、といえばイメージしやすいかもしれません。

私にはレズビアンの友人が何人かいるのですが、その半数以上がデミロマンティックと自認しています。

彼女たちと恋愛の話をしていると「初対面の人にはまったく恋愛的に惹かれない」「友達になってから恋に発展することばかり」という言葉がよく出てきます。

その言葉を聞いて「彼女たちにとって、恋愛感情は突然湧くものではなく、相手のパーソナリティを深く知ったうえで、信頼や安心感が積み重なった先に芽生えるもの」なのだと感じました。

一方で、私は親しい相手に恋愛感情を抱きにくいタイプです。

そのため、友人たちの話を聞いていると、自分の恋愛の芽生え方が彼女たちとが少し違うのかもしれない、と静かに自覚するようになりました。(関連記事はこちらNOISE:友達づくりで年齢を気にしすぎてしまう? 30代レズビアン私の場合

異性愛者の友人のなかでも「デミロマンティック傾向が高い人」は多い

私個人の体感ですが、デミロマンティック傾向の高い人はレズビアンの友人だけでなく、異性愛の友人にも多い気がします。

異性愛の友人のなかで「同級生とか同僚とか、関わりが深い相手じゃないと好きになれない」「数回のデートを重ねても恋愛モードに入れない」と語る人は少なくありません。

本人たちはそれを特別な傾向だとは思っていませんが、話を聞いていると、恋愛の入口が「信頼の積み重ね」にある点はデミロマンティックの特徴と重なる部分があると感じます。(関連記事はこちらNOISE:「異性愛の恋愛相談」にのるとき、レズビアンの私が意識していること

デミロマンティックの対極にいる私はマイノリティ?

デミロマンティックと自認しているレズビアンの友人たちは、自身を「マイノリティのなかのマイノリティ」だと捉えがちな印象です。

しかし、私は「恋愛の入口が親密さ」にあることを自然に語る人を何度もみてきました。

彼女たちと会話を重ねるうちに「むしろデミロマンティックのほうがマジョリティなのでは?」とさえ感じます。

さらに、私は関係が浅い相手に惹かれることが多いタイプ。

そのため、友人たちの恋愛観を聞いていると、自分の恋愛がその対極にあるように思えて「もしかすると私のほうがマイノリティなのかもしれない」と感じることもあります。

とはいえ、恋愛の感じ方にマジョリティ・マイノリティという線引きをすること自体にあまり意味はありません。

恋愛のスイッチがどこにあるかは人それぞれ。そう考えるようになってから、周囲と自分の恋愛の向きが異なっていても、それを特別視する必要はないのだと感じるようになりました。

デミロマンティックの友人との交流を経て「フレイロマンティック」という言葉と出会う

恋の芽生え方は人によりけり。とはいえ、デミロマンティックの人ばかりが「自分はマイノリティなのかも」と肩身の狭い思いをしている現状に対して、どこか申し訳ない気持ちがあります。そんな気持ちを抱えつつ、私自身の恋愛的指向をみつめ直していたところ「フレイロマンティック」という言葉と出会いました。

デミロマンティックの反対といわれる「フレイロマンティック」とは?

「フレイロマンティック」とは、関係が浅い相手に惹かれやすく、関係が深まるほど恋愛感情が薄れていく恋愛的指向です。

デミロマンティックが「親密さによって恋が芽生える」タイプだとすれば、フレイロマンティックはその反対に位置づけられることがあります。

恋愛感情のスイッチが信頼や親密さではなく「新鮮さ」や「適度な距離感」に結びついている点が特徴で、関係が深まるにつれて恋愛的なときめきが自然と薄れていくことがあります。

これは「冷めやすい」という性格の問題ではありません。恋愛感情の向きそのものがそういう傾向を持っている、という理解が近いとされています。

もちろん、フレイロマンティックとひと口にいっても、恋愛感情の濃淡や心の動き方は人それぞれです。

関係が深まると恋愛感情が薄れていく人もいれば、ゆっくり別のプロセスを経ていく人もいる。そうした幅のある傾向のひとつとして、この言葉が存在しているのだと私は考えています。

「フレイロマンティック」に対する私のスタンス

フレイロマンティックという概念を知ったとき、確かに自分の恋愛の向きと重なる部分があると感じました。

関係が浅い相手に惹かれるという説明には思いあたる節がありますが、すべてがあてはまるわけではありません。

詳しくはあとの章で触れますが、私の恋愛パターンはフレイロマンティックの特徴から少しずれる部分があります。

そのため、現状「私はフレイロマンティックです」と積極的に名乗ることはないでしょう。

あえていうなら「近いところがある」程度のスタンスです。

自分の恋愛的指向をカテゴライズしたい気持ちはありませんし、フレイロマンティックが特別しっくりくるわけでもありません。

ただ、こうした指向が存在するのだと知れたことで、自分の恋愛の感じ方を説明するためのヒントが得られたのは確かです。

私の恋愛パターンとフレイロマンティックの「重なり」と「ずれ」

フレイロマンティックという言葉は、私にとって「自分の恋愛的指向を整理するための材料」ですが、その特徴と自分の恋愛の傾向が完全に一致するわけではありません。フレイロマンティックの説明を手がかりにしながら、自分の恋愛パターンのどこが重なり、どこが異なるのかを確認したいと思います。

友人や親しい人に恋愛感情を抱けない

周りのデミロマンティックの友人からは、「友達に恋心を抱いたことがある」という話をよく聞きます。

親密さが恋愛の入口になる彼女たちにとって、友人関係から恋が芽生えるのは自然な流れなのだと思います。しかし、私にはその感覚がまったくありません。

私の場合、友人や親しい人に恋愛感情を抱くこと自体が想像しにくく、どこか「禁忌」に触れるような違和感があります。

きょうだいに恋愛感情を向けることがあり得ないのと同じように、友人は恋愛対象としてみられないという強い線引きがあるのです。

一度「友人」として関係が築かれてしまうと、それが恋愛に変わることはありません。友人はずっと友人のままです。

さらに、初対面の段階で「この人は友人」「この人は恋愛対象になりうる」という区別が直感的につきます。

関係が深まるかどうかとは関係なく、最初の印象の時点で恋愛の可能性が決まってしまう感覚があります。

こうした恋愛の向きは、友人から聞くデミロマンティックの恋愛観とは大きく異なり、自分の恋愛パターンの特徴を強く意識させる部分でもあります。(関連記事はこちらNOISE:レズビアンの私が友達にやきもちを焼く理由

関係が浅い人や別コミュニティの人に惹かれやすい

学生時代を振り返ってみても、私は仲のよい友人に恋心を抱いたことは一度もありませんでした。むしろ、別のグループにいて、ほとんど話したことのない相手に片想いをしていたのを覚えています。

距離がある相手のほうが気になりやすく、親しくなる前の段階で惹かれることが多かったのです。

この傾向は大人になってからも続きました。

レズビアンのオフ会やイベントで、初対面の相手に惹かれる、いわゆる「一目ぼれ」をすることも珍しくありませんでした。

おそらく、私は親密さよりも「まだ知らない部分が多い」という状態が恋愛の引き金になっているのだと思います。

理由ははっきりとはわかりませんが、あまり知らない相手のほうが、想像できる余白が多く、その未知の部分が好奇心を刺激するのだと思います。新鮮味があることも大きいのでしょう。

振り返ると、私は恋愛の初期段階において信頼感や安心感よりも、好奇心や新鮮さを重視しているのかもしれません。(関連記事はこちらNOISE:レズビアンの自然な出会いはどこにある? アプリ以外の選択肢を考える

フレイロマンティックに近いけど・・・関係が深まると恋愛感情が薄くなるわけではない

フレイロマンティックは「関係が深まるほど恋愛感情が薄れていく」とされる恋愛的指向ですが、私の場合、相手と親密になるからといって恋愛感情が必ずしも薄れるわけではありません。

まず、友人に対して恋愛感情を抱かないのは、仲が深まったから恋愛感情が薄れるのではなく、そもそも友人、もしくは友人になりうる相手との間には恋愛の芽のようなものが最初から備わっていないためです。

関係が浅い段階で惹かれた相手については、親しくなると恋愛感情が薄れるわけではなく、むしろそこから信頼関係や愛情を深めていくイメージがあります。

入口は新鮮味や好奇心でも、関係が深まることで恋愛が終わるわけではありません。

もちろん、長くつき合えば恋愛感情が「家族愛」「仲間・同志のような気持ち」に変化することはありますが、それは多くの人に起こりうる自然な変化であり、フレイロマンティック特有の現象とはいえません。

こうした点が「フレイロマンティックに近い部分はあるけれど、そのままあてはまるわけではない」という感じる理由です。

デミロマンティックもフレイロマンティックも。言葉は縛りではなくヒント

これまで自分の恋愛の向きを整理してみると、どの指向にもぴたりとあてはまるわけではなく、いくつかの特徴がゆるやかに重なっているだけなのだと感じます。

これまで友人に恋愛感情を抱かないことや、関係が浅い段階で惹かれやすい傾向は確かに説明できるものの、既存のラベルにそのままおさまるほど単純ではありません。

そもそも恋愛的指向は、境界線がくっきりわかれているものではなく、グラデーションのように連続しているものだと思います。

デミロマンティックやフレイロマンティックという言葉は、そのグラデーションのどのあたりに自分が位置しているのかを考えるための参考にすぎません。

ラベルに自分を合わせる必要はなく、むしろ言葉を「理解のヒント」として扱うことで、自分の恋愛の傾向がみえやすくなる。今はそんなふうに捉えています。

 

■参考情報
Palettalk パレットーク 【マンガで解説】デミロマンティックとは?
Let’s Talk Gender
ウィメンズヘルス 親しくなると性的魅力を感じなくなる?「フレイセクシュアル」を専門家が詳しく解説

■NOISE関連記事
友達づくりで年齢を気にしすぎてしまう? 30代レズビアン私の場合
「異性愛の恋愛相談」にのるとき、レズビアンの私が意識していること
レズビアンの私が友達にやきもちを焼く理由
レズビアンの自然な出会いはどこにある? アプリ以外の選択肢を考える

 

RELATED

関連記事

ロゴ:LGBTER 関連記事

TOP