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Writer/あさか

ノンバイナリーとパートナー。同性カップル? 異性カップル?? それとも???

レズビアンカップルやゲイカップルが「同性カップル」としてニュースで取り上げられたり、SNSで動画を出したり。つきあっているふたりを「○○カップル」や「○○関係」として紹介したり、されたりする場面はよく見かけます。しかし、ノンバイナリーのわたしは、パートナーとの関係性を「何カップルと呼べばいいんだ?」と戸惑うことも。

パートナー関係を「レズビアンカップル」「同性カップル」と呼ばれるとき

YouTubeやSNSで見かける「#同性カップル」「#レズビアンカップル」

わたしは、今から約6年前、高校生くらいのときから、自分のセクシュアリティを真剣に考え始めました。

周りには、すでにセクシュアリティをオープンにしているクィアな友人が数人いましたが、いくら友人であろうと、セクシュアリティのことを何でも聞けるわけではない。
そもそも自分のセクシュアリティについて、まだ確信が持てないから、まずは1人で考えたい。

そう思った高校生のわたしが助けを求めたのが、YouTubeやSNSでした。とはいえ、自分でチャンネルを始めたり、ほかのクィアたちとつながったりするのは、ハードルが高く、基本的に「見る専」です。

そこでわたしがはまったのは「レズビアンカップル」として発信している人たちの動画でした。

彼女たちの動画についている「#レズビアンカップル」や「#同性カップル」から、ほかのクィアなカップルたちの動画をたどることも。

わたしにとって「レズビアンカップル」や「同性カップル」という言葉が、クィアたちの生活を映し出すも情報の目印のようになっていきました。

同性婚などのニュースでも「同性カップル」として紹介

今年、最高裁で判決が下される「結婚の自由をすべての人に訴訟」。いわゆる「同性婚訴訟」のニュースでも、原告たちが「同性カップル」として紹介されることが多いように感じます。

実際は、この訴訟では、女性とトランスジェンダー男性の「異性カップル」も、法律上同性同士の結婚が認められないのは憲法違反であると、原告として国を訴えています。そのため、実際の原告は「同性カップル」だけではありません。

それでも「原告の同性カップルたちが」と報道されることがほとんどで、いかに「同性カップル」というのがよく使われる、わかりやすい言葉になっているかを実感しています。

しかしこの訴訟のように、クィアなカップルを「同性カップル」として単純化できないというのも現実です。

ノンバイナリーの性的指向や恋愛的指向は?

とくに複雑だと感じるのは、ノンバイナリーのパートナー関係をどう表現するかという問題です。わたし自身がノンバイナリーであるため、この問題にはよくぶつかります。そもそも、ノンバイナリーの性的指向や恋愛的指向は、どのように表現されるのでしょうか。

ノンバイナリーとは?

ノンバイナリーは「女性でも男性でもない性別」と説明されることが多いです。

一方で「100%女性」でも「100%男性」でもない人たちみんなを含む、アンブレラ・タームとして使われる場合もあります。

つまり
・女性でも男性でもある(ダブル・ジェンダー/両性)
・性別がない(アジェンダ―/無性)
・流動的な性別(ジェンダー・フルイド/不定性)
・女性と男性の中間の性別(中性)

などと感じている人もあわせて「ノンバイナリー」と表現することもあるのです。

ノンバイナリーのセクシュアリティは?

性自認が同じノンバイナリーだったとしても、性的指向や恋愛的指向はさまざまです。

男性/女性のみにひかれる人もいます。
女性にも男性にも性的にひかれるバイセクシュアルの人もいます。

相手の性別にかかわらず性的にひかれるパンセクシュアルのノンバイナリーもいます。
他者に対して性的欲求を抱かないアセクシュアルのノンバイナリーも。

わたし自身は、ノンバイナリーであり、女性に対する恋愛感情や性愛感情を多く経験してきました。そのため、NOISE記事「ノンバイナリーでレズビアンって自己紹介していいの?」で書いたように「レズビアン・コミュニティにいるノンバイナリー」として自己紹介することが今まで多かったです。

似たように、ノンバイナリーでありゲイとして自己紹介しているのを聞いたこともあります。

ノンバイナリーにひかれるノンバイナリー?

ノンバイナリーにひかれるノンバイナリーもいます。

このことは、あまり議論されることがない気がする一方で、わたしの周りには実際にノンバイナリー同士でつきあっている人たちや、恋愛感情をもつ人たちが多くいます。

わたし自身も「シスジェンダー女性よりは、ノンバイナリーにひかれることが今まで多かったのかもしれない」と最近考えているところ・・・・・・。

しかし「ノンバイナリーにひかれるノンバイナリー」のための、性的指向や恋愛的指向を指す言葉は、ほとんど聞いたことがありません。

今回、あらためて調べてみたところ、英語圏では「NBLNB(Nonbinary-loving-nonbinary)」「Enbian」と呼ぶこともあるそうです。

ただ、クィアな友人たちと英語でしゃべっているときでさえ、聞いたことがない言葉だったので、日本でどのくらい使われているかは微妙なところです。

パートナーがノンバイナリーのとき、同性カップル? ヘテロカップル? レズビアンカップル?

ノンバイナリーの性的・恋愛的指向を表す言葉もじゅうぶんにないなか、ノンバイナリーとその人のパートナーの関係性は、何と呼べばいいのでしょうか。

ノンバイナリーとそのパートナーは「同性カップル」?

わたしが一度、YouTubeで目にしたことがあるのは、ノンバイナリー同士のカップルで、自分たちを「同性カップル」と紹介している動画。

ふたりは、自分たちは「ノンバイナリー」という性別が一緒なので「同性」と呼べると話しており、その呼び名に納得しているようでした。

一方で、わたしは「ノンバイナリー同士」だからといって「自分だったら同性カップルと言えない気がする」と感じました。

というのも、先ほど紹介したように、ノンバイナリーはアンブレラ・タームとしても使える言葉。

たとえば、カップルのうち1人の性別が「女性と男性の中間(中性)」で、もう1人の性別が「流動的な性別(不定性)」と認識している場合、それぞれの性別の感じ方はだいぶ違うものになりそうです。

わたし自身、自分と似たような自認のしかたをしている人は、ノンバイナリーでもあまり会ったことがありません。

YouTubeで見た、また別のカップルは、シスジェンダー女性とノンバイナリーのふたり。ノンバイナリーの方は、生まれたときに女性を割り当てられましたが、性自認はノンバイナリー。

こちらのふたりも「同性カップル」と自分たちのことを紹介したり「#同性カップル」のタグをつけたりすることも。

女性とノンバイナリーのカップルであれば、厳密に言えば「同性」ではなさそうですが、ほかに普及している言葉がないなか、自分たちを「同性カップル」と紹介する気持ちもわかる気がします。

ノンバイナリーとシスジェンダー男性のカップルは「ヘテロカップル」?

「同性カップル」とは逆に、自分たちのことを「ヘテロカップル」と言うノンバイナリーとそのパートナーもいます。

わたしのノンバイナリーの友人は、生まれたときには女性を割り当てられた人で、シスジェンダー男性とつきあっています。ふたりは自分たちのことを「ヘテロカップル」として話すことがしばしば。

ノンバイナリーと男性は、ある意味「異なる性別」ですから「ヘテロ(=異なる)」として紹介するのがしっくりくるようです。

一方で「ヘテロカップル」と言われると、どうしても「女性と男性のカップル」を想像してしまうのも正直なところです。

ノンバイナリーの友人は、長くクィア・コミュニティにいるため「ヘテロカップル」という名前で、自分のクィアネスが想定されなくなってしまうことに違和感を抱いているようでした。

ノンバイナリーで、レズビアンカップル?

ノンバイナリーと女性や、ノンバイナリー同士のカップルのときは? というと「レズビアンカップル」と自己紹介する人たちも多いように感じます。

わたし自身も、ノンバイナリーである自分とパートナーのことを「レズビアンカップル」と紹介することに、そこまで居心地の悪さは感じません。

たとえば新宿二丁目にふたりで行くなら「レズビアンバー」に行きますし、レズビアンのためのイベントやグッズを「自分事」として感じることも多々あります。

理由の1つは、わたしは女性やノンバイナリーにひかれるノンバイナリーではあるものの、レズビアンたちの話に共感できることが多いからです。

わたしは普段、周りから女性だと見られることが多く、女性差別のターゲットになることもあります。女性として見られやすいパートナーとわたしは、公共の場でスキンシップをすることに怖さを感じたり、反対に解放的な感覚になったりすることもあります。

それらの経験は、レズビアンカップルたちがしている経験と、重なり合うことも多いように感じるのです。

もちろん、レズビアン・コミュニティのなかで「女性として」「女性だからこそ」などの言葉が頻繁に出るときは、ノンバイナリーとして少し疎外感を覚えますし、性別違和を経験していないシスジェンダー女性のレズビアンと、経験している自分では、全く違う人生だろうとも思います。

そうだとしても、よく知られていて、ほとんど誰にでも伝わるラベルのなかでは、なんとなく「レズビアンカップル」がパートナーとの関係を語るときに一番しっくりくるような気がします。

一方で、わたしのようなカップルを表す別の言い方があったらいいなと感じることもあり、アンビバレントな気持ちです・・・・・・。

ノンバイナリーの経験を表す言葉、まだまだ足りない!

今回は、ノンバイナリーとそのパートナーとの関係をどう名づけるかという話にフォーカスして書いてきました。

そのなかで感じたのは、ノンバイナリーと特別な意味合いをもつ他者との関係性を表現する言葉が、全然足りていないということ。

ノンバイナリーとして、納得できるように、自分や自分の経験を語る言葉は、きっとまだほかにもあるはず。ノンバイナリーの人たちと違和感を言い合いながら、探し続けていきたいです。

 

■参考情報
Magazine for LGBTQ+Ally「トランス男性やパンセクシュアルの方を含む8名の性的マイノリティが「結婚の自由をすべての人に」東京訴訟に加わりました」
Magazine for LGBTQ+Ally「LGBTQ用語解説 ノンバイナリー」
LGBT Encyclopedia Wikia – Fandom「Enbian」

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NOISE記事「ノンバイナリーでレズビアンって自己紹介していいの?

 

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