“つぶさない” バストフラットインナー「Nstyle(エヌスタイル)」の試着・物販イベントが2月7日(金)・8日(土)に開催されました。2日目にはパレットーク編集長・合田文さんとの座談会も。今回は、セクマイ当事者の私がイベント2日目に参加してみた様子を紹介します。
ナベシャツ選びに新提案、胸に悩む女性・FTMから熱い支持を得る「Nstyle」
私はレズビアン、いわゆるセクマイ女性で、普段はスウェットやパーカー、無地のシャツなどシンプルでユニセックスな服を着ています。ただ、そういった服だと胸が目立ち、太って見えることも。直線的な身体のラインにあこがれ、ナベシャツを購入しようかと悩んでいたところ、同性のパートナーから紹介してもらったのがNstyleでした。
胸をつぶさずフラットに見せるインナー
Nstyleは、胸をつぶさず、快適にフラットに補正するバストフラットインナー。創業45年の歴史を持つ、補正下着・インナーメーカーの株式会社エル・ローズが「バストをコンパクトに、小さく見せたい」という顧客の声にこたえるために開発したものです。
Nstyleのバストフラットインナーは、補正下着の製造・開発を長年手がけてきた同社こだわりの「バストホルダーパネル」を内蔵。胸を平面に押さえるのではなく、下から支えて胸を上に分散させることで、圧迫感なくナチュラルなフラット補正を実現します。
その着心地のよさやシンプルなデザイン、縫い目のない美しいバックシルエットなどで注目を集め、2025年2月現在、累計販売枚数は25,000枚を突破。
私服や仕事着、制服で胸を目立たせたくない人や、ユニセックスなボディラインがほしい人、割り当てられた性別や自分の身体に違和感がある人など、シスジェンダー女性からFTM(トランスジェンダー男性)、FTX 、Xジェンダー、ノンバイナリー、などセクマイ当事者まで、幅広い層から支持を得ています。
FTMの愛用者も多いNstyle、ナベシャツとの違いは?
現在、私はレズビアンを自称しているものの、これまで一貫して純粋なシス女性として生きてきたわけではありません。
自分の性別について悩んだ時期があり、FTXと自認していたこともあります。FTXを自認していた時期は、胸を平らにする補正下着、いわゆる「ナベシャツ」を身に着けていました。
一般的なナベシャツには、胸部をフックやファスナーで締めて固定するタイプや、胸部が板のように平らになる “ゴム帯” を入れたものなど、さまざまなタイプがあります。
日々新しく改善された商品が開発されていると思いますので、以下の感想は、あくまでも個人的な感想です。私が “以前に購入したナベシャツ” との違いについてお伝えします。
私は過去にフックタイプとゴム帯タイプの両方のナベシャツを試したのですが、私が着たナベシャツは息がまともにできないほど窮屈。
長くて1日に3~4時間程度しか装着できませんでした。胸が圧迫され、骨まで締め付けられるような感覚です。
今も私が購入したようなナベシャツを着て、このとても窮屈な感覚を毎日体験しているFTM、FTXの方もいるでしょう。
胸を圧迫する・きつく締めるタイプのナベシャツに対し、Nstyleは胸をしっかりホールドしつつも締め付けない設計となっています。
2枚のバストホルダーパネルで胸を下から支え、下垂・横流れを防ぎながらフラットなバストを作ります。
一般的なナベシャツと同じ作りのように見えますが、これまでナベシャツにあった息苦しさ、不快感をクリアしたのがNstyleだと私は思います。
愛用者の女性・FTM必見! Nstyleがリニューアルでもっと快適に
現在、Nstyleの公式通販サイトで販売されているバリエーションは「ハーフトップ」「タンクトップ」「オープンネックハーフトップ」各サイズ(XS~LL)、「スポーツトップ」「オープンネックハーフトップ with スリップ」各サイズ(S~LL)など。
ちなみに、私とパートナーはタンクトップのMを1枚ずつ持っています。
2月5日(水)には、「ハーフトップ」「タンクトップ」のリニューアルを発表。同日にクラウドファンディングサイト「Makuake」で先行予約販売を開始し、翌日には目標金額700%を達成しました。
リニューアル版では、バスト部分の速乾性がアップし、さらにバストホルダーパネルもアップデート。肌の不快感を抱きにくいように、洗濯絵表示タグをプリントに変更している点も、うれしいポイントですね。
まだNstyleを試していない、もしくはすでにNstyleを愛用している女性、そしてFTM 、FTXなどのセクマイさんはぜひチェックしてみてください。
セクマイ当事者がNstyle試着会の様子&着用感を紹介
今回、私はNstyleの試着・物販イベント2日目の8日(土)に参加しました。それでは、実際にNstyleを試着したときの様子を紹介します。
30代セクマイ、Nstyle試着会に初参加
当日、会場に入るとNstyleのスタッフ方々が笑顔で迎えてくれました。
受付を済ませて、さっそく試着前のカウンセリングへ。ハーフトップ、タンクトップ、オープンネックハーフトップ 各サイズ(XS ~ LL)、スポーツトップ 各サイズ(S ~ LL)のなかから希望のアイテムとサイズを選びます。
必要な場合はスタッフの方に採寸してもらえますが、私はすでにタンクトップのMサイズを持っていてサイズ感も把握していたので、寸法はせずにそのまま試着へ。
私が試着用に選んだのは、タンクトップのSとオープンネックハーフトップのM。もともと、タンクトップのMは数年前に通販で買っていてすでに愛用していました。
購入時から体型が変わり、胸の張りがなくなってきたので「もしかすると今ならSも入るのでは?」と思い、Sを試してみることに(ちなみに、私は身長155cmで体型は標準~やや痩せ型の間、カップ数はD70です)。
NstyleタンクトップのSを試着
© 遥
まずタンクトップのSを着てみたところ、やはりMよりもぴっちり感がありました。服を着た様子をイメージできるようにと、スタッフの方が貸してくださった白いTシャツを上から羽織ってみます。
すると、Mを来た時よりも胸のふくらみが少なく、私が理想とするスリムなシルエットにより近い印象でした。
ただ、ワンサイズ小さいので、どうしても窮屈さはあります。生活できないほど苦しいわけではありませんが、ご飯を食べると少し苦しくなりそうだなと思い、予備で用意していただいたMを着用してみました。
数年愛用していて慣れているサイズなので、いわずもがなの着心地のよさ。胸のふくらみを抑えながらも苦しさを感じさせない、ストレスフリーな着心地。胸のふくらみは少しだけ残るものの、着ていてとにかく楽です。
比較した結果、今回はMを購入することに決めました。
NstyleオープンネックハーフトップのMを試着
© 遥
オープンネックハーフトップは、タンクトップよりも襟ぐりが大きく開いているV字カッティングタイプ。春夏のあたたかい季節に、デコルテ部分が開いた服を着る際に活躍しそうです。
オープンネックハーフトップの場合、Sサイズだとアンダーがきつくなってしまいそうだと思ったので、今回はMを選びました。
実は、以前から私はオープンネックハーフトップが気になっていたのですが、「アンダーが食い込んで苦しくなるのでは?」「一般的なブラのようにずれて上がってきてしまうのでは?」と心配で購入に踏み出せずにいました。
試着して、すぐに「ああ、これはもう買いだな」と即決。
タンクトップよりもデコルテまわりがさらにすっきりと開いていながら、肩やアンダーへの食い込みはまったく感じません。
背中も広く開いているので、背中がざっくりと開いたトップスや、ドロップショルダーのシャツにも合いそうです。
30代セクマイがNstyleを試着して感じた “変化”
今回のNstyle試着会の直前まで、実は私、かなり緊張していました。しかし、実際に会場へ行って試着してみると楽しい気持ちへと変わっていきました。こうした感情の変化を含め、私が試着会で感じたことを紹介します。
セクマイの定番トラウマ「インナーの試着」を克服
今回、私はスタッフの方にインナーを着てみた姿を試着室で見てもらうことにしました。
ちなみに「試着後にスタッフの方に見てもらいたい」「試着中、スタッフには近くにいてほしいorいてほしくない」などは、試着前のカウンセリングで選択できるので、無理にスタッフの方に見せる必要はありません。
それでも私が試着後にスタッフの方にチェックをお願いしたのは、トラウマだった “インナーの試着” を今なら乗り越えられると思ったからです。
初めて下着屋さんでブラジャーを試着したのは、中学2年生の頃。
試着室で店員の方からマンツーマンでブラの正しい付け方を教わったのを覚えています。そのとき、店員の方が胸と脇、背中から肉を集めてカップにぎゅっと詰め込む・・・・・・という作業を手伝ってくれたのですが、私にはそれが恥ずかしくて苦しくてたまりませんでした。
セクマイ当事者そしてシス女性のなかには、同じような体験をした人もいるかもしれません。
しかし、今回、Nstyleのスタッフの方にインナーを着てみた姿をみてもらい、「いいですね!」「シルエットきれいですよ」という言葉をもらったとき、これまで抱いていたインナー試着への恐怖心が一気に和らいだ気がしました。
フラットな胸を褒められて、自分らしさを肯定できた
パートナー以外の誰かにフラットな胸を褒められるのは、初めての体験でした。
私は過去に(Nstyleのインナーを着て)胸を目立たせないようにしていると友人に話した際、「もったいない」といわれたことがあり、それからというもの、胸をフラットにすることに対して罪悪感を抱くようになっていました。
今回の試着会でスタッフの方に「いいですね!」という言葉をもらったとき、初めて自分らしさ(フラットな状態の胸)を肯定できた気がします。
スタッフの方とのコミュニケーションを通じて自分の考え方が変化する、新しいとらえ方が見つかる・・・・・・。
これは試着会ならではの魅力だと思いました。
FTMやFTXが気軽に足を運べるように
私は、試着会してリアルな体験ができたものの・・・・・・感じたことがありました。
あくまで一個人の所感ではありますが、FTM、FTXなどと自認している方の参加や、MTF(トランスジェンダー女性)さんで移行期間に着用するために検討したい方が、リアルな試着会に足を運ぶハードルは、かなり高いかもしれないと感じました。
そもそもFTM、FTX、MTFの方のなかにはシス女性が参加するイベント、なおかつ着替えるという行為が発生する試着会の場に足を運ぶのが難しい方もいるでしょう。
これまでのNstyleの試着会・座談会には多くのFTM、FTX、Xジェンダー、ノンバイナリーの方が参加されていますが、「試着会が気になっているけれど、まだ行ったことがない」という方も少なくないと思います。
今後、そういった方々が気軽に参加できるようになればいいなと願っています。
30代セクマイ、座談会にも参加
Nstyleの試着会2日目には、LGBTQ+、フェミニズム、多様性をテーマにした漫画やインタビューを発信するメディア「パレットーク」の編集長・合田文さんとの座談会も行われました。
ファッションや下着をテーマに、モヤモヤ&理想をシェア
座談会では「自分の理想のファッションと下着」をテーマに、参加者それぞれが自身の悩みや「こうだったらいいな」と思うことを共有しました。
私服、仕事の服、制服、冠婚葬祭用の服、スポーツウェアなどのカテゴリー別に、これまで感じたモヤモヤや「どんなときにNstyleを着ている・着たいか」をシェア。合田文さんやNstyleのディレクター上山和泉さんを交えて、参加者みんなでそれぞれの思いを語り合いました。
私は「仕事でスーツやジャケットを着るとき、下にNstyleを着ると胸元が直線的なシルエットになってきれいに見える」「これまで結婚式の参列で着る服には、普通のブラやチューブトップを合わせていたけど、これからはNstyleのよさをいかせる服を選びたい」といった内容を話しました。
また、ほかの参加者の悩みを聞きながら、共感したり、新しい視点・気づきを得たりと、とても有意義な時間となりました。
参加者それぞれ、ファッションのこだわりポイントが異なり、その違いを知るのも楽しかったです。
30代セクマイがNstyle試着会・座談会に参加してみて
今回のNstyle試着会では、学生の方から20代、私のような30代まで、幅広い年齢の方が参加していました。私を含め、セクマイ当事者の方もいたでしょう。
参加者それぞれ、抱えている悩みや理想のファッションが異なるものの、みんな「自分らしくいる」ための選択肢のひとつとして、Nstyleを選んでいる点は同じだなと感じました。
社会に求められる女性らしさにとらわれず、ありのままの自分で生きたい・・・・・・。そんな人の背中をそっと押してくれるのが、Nstyleなのだと思います。
「胸をフラットにして好きなファッションを楽しみたい」「女性性を強調することなく、自然体の自分で過ごしたい」という人は、ぜひNstyleをチェックしてみてください。
■参考情報
・株式会社エル・ローズ プレスリリース【好評につき第3弾】試着・物販イベント2/7(金)~8(土)開催。「自分の理想のファッションと下着」についての座談会も
・株式会社エル・ローズ プレスリリース【最新モデル先行予約販売】累計2.5万枚突破のバストフラットインナーがさらに快適にアップデート
・Makuakeプロジェクトページ「こんな商品欲しかった!バストの悩みから解放!”つぶさない”バストフラットインナー」