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Writer/アルナルガルベマサル

Xジェンダーとは? 4つのタイプの特徴と診断方法

Xジェンダー(エックスジェンダー)という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 私たち人間の性のあり方は単純に見えて、とても複雑です。見た目が男性に見えたとしたら、異性愛者の男性かも知れないしゲイ男性かも?はたまたFtMのトランスセクシュアルの男性かもしれません。

今回は見た目の性と本人が自認する性が必ずしも一致しないセクシュアリティ。認知度が低いXジェンダーについて、お話ししたいと思います。

Xジェンダーって? その定義と類似の性自認

今日ご紹介するXジェンダーは、日本で生まれた言葉のようです。英語圏では、”Third Gender” だとか ”Third Sex” が近い言葉ですが、英語圏での普及度は、それほど高くありません。日本でも、まだまだ認知度が低いXジェンダー、はたしてどんな人々のことを指すのでしょうか?

Xジェンダーの定義について

「自分って、本当に男なのかな?」または「私、もしかしたら女じゃないのかも?」と自問自答する人がいます。しかしそれとはまた別に、「自分は男でも女でもない!」と自己分析をする人たちも存在しています。Xジェンダーは、生まれ持った性別に関わらず、男でもないし女でもないという性自認を持つ人々です。

生まれた持った性が女性のXジェンダーはFtX、男性の場合はMtXと呼ばれます。(FはFemale、tはTo、MはMaleの頭文字、Xは未知や不定といった意味合いと捉えればわかりやすいでしょう。)
インターセックスの人で更に、自身を男もしくは女であると性決定をしない場合、例は少ないですがXtXと定義可能です。

Xジェンダーの場合、性自認が男性でも女性でもないというだけでなく、大きく分けて4つの種類に分かれます。

①中性・・・男性と女性の中間だと感じる。

②両性・・・男性、女性両方の性自認をもつ。その日の気分で変化がある場合や、男女を割合で示す場合もある。

③無性・・・そもそも男性、女性、中性、両性という観念がない。

④不定・・・上記3つのどれにも当てはまらない。自分自身の性自認がTPOに応じて流動的に変化する。(Gender Fluidと呼ばれます)

性自認は、とても多くの種類で構成されているので、必ずしもXジェンダーが上記の4つに当てるとは限りません。

・「手術をしてないから、FTMといいにくい。だからXジェンダーと言っています」
・「MTFと思っているけど、戸籍までは変えられないからMTXとしている」
・「はっきり決めたくないからXジェンダー」など

Xジェンダーの意味合いは現状とても広く、人それぞれと言っても過言ではないのです。

日本の芸能界ではXジェンダーを自称する人はほとんど聞きませんが、欧米のセレブリティではシンガーソングライターのElly JacksonやSam Smith などがXジェンダーだと公表しています。

性別違和、トランスジェンダーとは何が違う?

このXジェンダーは、「生まれながらの性に違和感を持っているトランスジェンダー」という大きな母集団をなす1つの要素と考えるとわかりやすいでしょう。つまりトランスジェンダーには、Xジェンダー以外にもトランスヴェスタイト(異装趣味)やトランスセクシュアル(自身の身体を自認する性に近づけようとしている人たち)も含まれます。

同様に複雑なのが「性別違和」という言葉です。性別違和とは、漢字を見てわかるとおり、生まれた時に決められた自分の性別と、自分が感じる性に違和感を持っている状態のことを指します。たとえば生まれ持った性は女性で、性自認が男性だと思う場合。もしくは、性自認が男性とはっきりは言えないけど、なんだか女性であるとも思えないなど、性別に違和感がある場合。(逆のパターンも然り)

性自認というデリケートな概念は、それぞれ似たように見えるので、なんとなくこう思う。などという曖昧な知識でその概念を理解してしまうと、大きな誤解に繋がることもあるので注意しましょう。

男らしい? 女らしい? Xジェンダーの特徴とその生き方

男性でも女性でもない、もしくはどちらでもあるというニュートラルな概念のXジェンダーの人たちは、「女性でありたい、または男性になりたい!」という強い性へのこだわりが少ないと言われています。パッと見しただけではちょっとパンキッシュな人だな、昨日と今日は全然違う雰囲気だな・・・・・・ くらいにしか思われません。

見た目だけじゃ判断出来にくい、それがXジェンダーの特徴なんです。ここではそんなXジェンダーの社会認識や生き方についてクローズアップしてみたいと思います。

~らしさは禁句!?  Xジェンダーが抱える問題と社会認識

Xジェンダーという性自認自体が浸透していない為、“社会で生きる” という根本的な人間活動において、様々な誤解を生じることが少なくありません。「外見が男性なのに、男性らしからぬ言動をしている!」はたまた、「女性らしい振る舞いが出来ない女性とのレッテルを張られてしまう!」。そんな固定化されたジェンダ規範が、Xジェンダーの社会的生活を脅かしていることは否めません。

マイノリティであるLGBTの人たちが特に困惑してしまう点の一つとして、そのファッションやトイレの使用に関する問題が考えられます。特にXジェンダーのような性別がはっきりと定まっていないセクシュアリティの場合は、性自認が日々変わることもあります。

今日は女の子気分が強い日、先週はバリバリ男の子だった。

こんな流動的な性自認の移行も少なくないので、その都度ファッションが異なったり、使用するトイレが違ったりと、客観的にみると??? な人に思われてしまうのです。もちろんXジェンダーと言っても、その意味合いは異なるので、一概には言えませんが、公共施設の中でのトイレ使用に関して、特に大きなトラブルに巻き込まれるXジェンダーの人々は大災難です。

たとえばパッと見が小柄で骨格も華奢なMtXの場合は、ちょっとお化粧をして女性の洋服を着こなせば、トラブルなく女性トイレを使用出来るかもしれませんが、逆にパス度が低い人の場合は・・・・・・。また、Xジェンダーでもそれぞれの性自認の認識、強さは異なり、多目的トイレを使うこと自体がストレスになる人も。単純に「性にこだわらないのならば多目的トイレを使えばいい」とは、言いきれないのです。

こうしてみてみると、やはりXジェンダーはXジェンダーなりの理解されがたい問題点を根本に抱えていることが、明瞭に浮彫になってくることがわかります。

Xジェンダーの人ってどんな恋愛をしているの?

たとえば、生まれながらの男性の行動や仕草がしなやかだからといって、必ずしもMtFとは言えませんし、ゲイとも言い切れません。また女性の恰好で街を闊歩する女装家の男性は、もしかしたら生粋の女好きなのかもしれません。

Xジェンダーに関しても例外に漏れず、その外見がそのまま性自認に結びつくことは少ないのです。女の子に見えて、どこかサバサバ、そしてボーイッシュでも、実際はロマンチストな女性寄りの中性を自認。はたまたハードな体育会系の部活にいそうなガタイの良さと、兄貴っぷりが凄まじい男性が、実は男性と女性の両方のハートを持ち合わせていたり・・・・・・。

そして他のセクシュアリティとは異なり、自覚している性自認と好きになる性(性的指向)は全く別次元である点も忘れてはなりません。ややこしい話しかもしれませんが、Xジェンダーを自認する人にも、ゲイやレズビアン、全性愛者のパンセクシュアルだっているのです。

そして、Xジェンダーの恋愛模様は決してバラ色という訳ではありません。これは、LGBT全体に言えることですが・・・・・・なかには相手に自分のセクシュアリティの理解が得られない、そして受け入れてもらえない辛い恋愛街道を突っ走る人も多いことは、いうまでもありません。例え異性愛者(ストレート)のXジェンダーが、異性に恋心を抱いても、性自認という自分の大切なアイデンティティを、愛する人が受け止め切れるかが課題になってくるのです。

「そんなの気にしないよ」とセクシュアリティよりも、人間性そのものを大事にしてくれる人がいる一方、「元来のあるべき性別」に縛られ動けなくなってしまう人も多く、Xジェンダーの恋愛は、自分が相手を好きになる息苦しさと同時に、愛する相手の立場を考えて不安になってしまうことが多いのかもしれません。

Xジェンダーの診断方法について

ここではXジェンダーかもしれない! そんな時に目安とされる診断方法について考えてみたいと思います。

Xジェンダーかを判断する医学的診断方法はない!

まずXジェンダーは基本的に医師に診断されるものではなく、個性の一部として認識、つまり自認するものです。現段階でジェンダークリニックを含めても、Xジェンダーの為の医学的診断ガイドラインは導入されておらず、通常は性同一性障害であるかないかを診察していきます。

しかし、性同一性障害の診断基準も個々人の医師の裁量、価値観などにも左右されやすく、必ずしも当事者本人が期待するような診断結果が下されるとは限りません。また自分ではMtXだと思っていたのに、実際はXジェンダーではなく、性同一性障害の診断が下りることも少なくありません。

性別適合手術がXジェンダーには適応されないって本当?

Xジェンダーなんだから、「男になりたい」または「女になりたい」と強烈に思うこともなれければ、生まれ持った性を変える必要がないと考える人も多いと思います。

理論的にはXジェンダーは、トランスセクシュアルではないので、性別適合手術を望む人は少ないですが、実際にはゼロではありません。

Xジェンダーではあるけれど、どちらかというと女性寄り、または男性寄りであると自認している場合、ジェンダークリニックで性同一性障害と診断されることもあり、その上で身体に対する違和感や嫌悪感によっては、性別適合手術という選択肢を相談できます。

Xジェンダーと一言で言っても、中性と認識していたり、二つの性自認を持っている場合など、その種類は豊富です。また、それぞれの性自認と見かけの性表現は別の話になるので、ホルモン治療や豊胸手術など、それぞれが個々に思う理想の自分像はさらに多様です。

その為、定義を軸としたうわべだけの知識と見解だけでXジェンダーの在り方を理解してしまうと、様々な自己表現に困惑することも多いでしょう。ありのままの姿、そして個々の性自認を周りの人間が理解する努力が大切です。

僕/私ってXジェンダーかも? 簡易Xジェンダー診断

性同一性障害に関する簡易診断というものは、グーグルで検索すると、質の差こそあれ、大量の情報を取得できます。しかしXジェンダーに関しては、一般の認知度が低いこと、また医療機関での診断対象になっていないため、簡易診断に関しても充実していません。

ここで私なりに、とてもシンプルではありますが、Xジェンダーか否か迷った時の、一つの手がかりになる項目を作成してみました。確定されるものではありませんが、気になる方は参照してみてください。

①自分自身の性別に揺らぎを感じ、不安、混乱、恐怖の感情が入り乱れる。

②男なのか女なのかわからない。

③性別欄の選択にイライラが隠せない。

④自分の中に男性、女性以外の性の存在が存在。または両者の性が共存している。

⑤環境、時間、気分に応じて、自分の性自認が変わる。

上記の質問にyesが多い場合は、Xジェンダーの可能性も。ただし、これらのチェックは、あくまでも単なる目安でしかありません。本当の性決定はあなたのココロの声とシックリ感を頼りにすることを忘れないでくださいね。

まとめ

性別に違和感を持っている=トランスジェンダー、性同一性障害だとは限りません。日本での認知度はまだ低いですが、Xジェンダーという性自認、そしてその生き方を知ることで、

・「Xって広い言い方があったんだ!」
・「あいまいな感じでもいいんだ!」
・「決めなくてもいいんだ!」

と、グレーの空が光り輝く青空に塗り替えられた、と言う人たちも少なくありません。

Xジェンダーというセクシュアリティそのものを追求すると、しばし自分はどうあるべきなのか? と悩むこともあるでしょう。そんな時は、セクシュアリティという言葉を「人生」に置きかえてみましょう。長い旅路を歩む中でいろいろな自分、人に出会っていくと “あるべき姿” なんて、そもそもないのだと気づくかもしれません。

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